様々な業務を効率化できるRPAツールの特徴とは?
労働人口が減少している昨今、「RPA」というツールがビジネスの現場で浸透しつつあるのはご存知でしょうか?
煩わしい作業を省きたい従業員の気持ちと、労働環境をより良いものにしたい会社運営側。そんなお互いにとって利点があるRPAツールの特徴をこの記事ではご紹介します。
目次
RPAツールとは
近年、労働人口が減少し、今後多くの企業で人手不足が起こることが懸念されています。そこで今、ビジネスの現場において「RPA」というソリューションが注目されているのです。RPAとは、”ロボティック・プロセス・オートメーション”の略称で、ロボットを利用し、オフィス業務を自動化・効率化する仕組みです。
企業内の管理部門における企画や管理業務を行うホワイトカラー業務には、定型的で単純な業務が多く存在します。決められたルーティーンワークだとしても、作業時間に圧迫されながらの業務では、集中力の低下や疲労からミスに繋がり生産性が低下します。
RPAにおけるロボットは、PC自身に人の操作を記憶させることができ、24時間365日フル稼働できるため、人への業務の過負担の減少と安定した生産性を実現します。
RPAツールは、10年以上前にイギリスで開発されてから、世界中にその効果が認められるようになり、日本国内でも、ここ数年の間に本格的に利用されるようになりました。
RPAツールは、IT基幹システムの刷新よりも容易に導入することが可能です。
RPAツールには、国産ツールと海外製ツールが利用されています。大規模導入に強い海外製ツールと比べて、国産ツールはごく小さい範囲からの導入に強い傾向があります。
RPAの大規模導入に強みを持っている海外製ツールは、業務効率が大きく改善されますが、導入コストの高価や、既存の業務プロセスの変更の際に思わぬ弊害を伴う可能性があります。あらかじめ大規模導入に踏み込む際には、少なからずリスクがあることを認識する必要があります。
一方、スモールスタート(小規模導入)は、リスクを負わずに可能な範囲で定型・繰り返し作業を自動化します。これまで築いてきた日常業務の枠組みを変えることなく、少しずつ自動化の範囲を拡大していきます。導入へのリスクが低く、省力化を堅実に行えます。
RPAは具体的にどのような業務に導入されているのか?
では、RPAは具体的にどんな業務を代替することができるのでしょうか。
1 人事業務
・従業員の勤怠管理、長時間残業を行っている従業員に対しての自動警告
・派遣社員やアルバイトスタッフの雇用管理
2 顧客対応
・問い合わせフォームに対しての自動応答と処理
3 営業活動
・名刺のスキャニングと既存システムへの登録作業
・ライバル製品のWebサイトの情報収集とマーケティング
・顧客情報の管理
・見込み客の洗い出しと購買意欲を高めるメッセージ作成
4 経理業務
・売上伝票や領収書、請求書データなどの会計システムの処理業務
5 データ分析
・過去データの分析と予測による受発注業務
・アンケート用紙のデータ入力と集計
RPAツールの種類
RPAのシステムには、「デスクトップ型」と「サーバー型」の2つの型があります。
1「デスクトップ型」
デスクトップ型RPAは、UiPathやWinActorなどに代表されるツールです。特徴は、ロボットがPC内のみで働き、PC1台に対してのロボット数は1体で、担当者レベルで管理をすることです。サーバー型と比較して初期費用が安く、個人や部門での小規模導入がしやすいことがメリットと言えます。
2「サーバー型」
一方、サーバー型RPAは、BizRobotやAutomation、BluePrismに代表されるツールです。特徴は、ロボットがサーバー内で働くため業務を横断して一括管理することが可能な点です。PC1台に対して100体以上のロボットを稼働させることで大量のデータを扱い、大規模展開を見据えることも可能で、会社レベルでロボットの管理をします。大量のロボットとデータを使用するため、デスクトップに比べて初期費用が高いのが難点です。
デスクトップ型RPAとサーバー型RPAには、導入費用や運用・管理体制に大きな違いがあります。2つのシステムのメリットとデメリットを見比べて、自分の会社に合ったRPAツールを選びましょう。
RPAツールの主な機能
RPAによる業務の自動化は、既存のシステム業務内容を変えることなく、業務フローやシステムはそのままに、人間が行うべき手間や労力を省くことができるのが強みです。ではどのような仕組みをもって、RPAはこのような役割を果たせるのか?RPAツールの主な機能についてご紹介していきます。
1.RPAの基盤となるシナリオ
RPAツールではPC上での作業を記録し、シナリオという形で保存できます。自動化させたい作業を開始する直前にRPAツール側で作業の記録を開始し、通常行っている作業をします。
作業が終わり、RPAツール側で記録が終了すれば、シナリオが保存されます。シナリオを再生するだけで、一連の作業をRPAツールが再度実行してくれるというわけです。単純作業になればこの機能だけで業務の自動化をすることが可能です。
2.参照、編集機能
シナリオは、多くのRPAツール上で、図形を組み合わせた作業のフローチャートの形で参照・編集することが可能です。作業の自動化の基礎となるのは、シナリオを正しく作成するであり、この作業はプロミラミングの基礎知識が無くても実現できます。RPAツールの強みは、担当者レベルでシナリオの作成ができるので、IT部門の専門家の力を借りることなく作業の自動化を行えることです。さらに、ツール動作の修正をする場合、コマンドベースで動作指示を加え変更することが可能です。
RPAの便利な機能
ここまでRPAの基本機能についてご説明してきました。RPAは、多くの利点がありますが、
RPAシステムを実際に利用していくうちに、会社のシステムに思わぬ問題が発生するかもしれません。そんな時にも、会社の運営をカバーしてくれる便利なオプション機能があるのでいくつかご紹介していきたいと思います。
1.危険を未然に防ぐ機能
現場担当者レベルの人間が、個々の端末で勝手にRPAの導入を進め、急遽、業務担当者が異動になる場合があります。このようなケースでも、業務が変更されたとしてもRPAロボットは平常通り稼働を続けます。ここで起きるのが誰にも管理されていない「野良ボックス」というものが発生することです。
野良ロボットが増えると、ロボットが処理を実行し続けることで既存のシステムに負荷がかかり続け、会社のシステム全体のパフォーマンスレベルが低下する恐れがあります。
RPAシステムの大規模導入に対応した統括サーバーを導入することで、個々のロボットの動作を一括管理・監視することができます。
2.クラウド上での管理が可能
RPAツールは、基本的にはロボット自体が動作するPCが必要です。しかし、ユーザー側にロボットの入ったPCが無くてもロボットを稼働させ、クラウド上で業務を行えるシステムが存在します。オンライン環境さえあればどこでも使える利便性や、被災時の業務継続といったリスク対策の側面があることでも注目されています。
RPAツールを導入するメリット
RPAの導入で会社運営はどう変わっていくのでしょうか?RPAのメリットをいくつかご紹介していきます。
1.ヒューマンエラーを無くし、作業品質を向上させることができる
人は長い時間、決められたルールに従って作業していると、集中力の欠如からヒューマンエラーが起こしやすくなります。RPAを導入することで、会社の機密情報や顧客の個人情報の流出を防ぎ、従業員の独断によるコンプライアンス違反などのトラブル防止につながります。また、作業品質を高め、問い合わせ内容に対して適切かつ迅速な対応が可能です。その結果、クレームの減少と顧客満足度を向上させることができます。
2.「人間にしか遂行できない仕事」に注力可能
RPAの導入と業務の自動化により、生産性の高い業務をRPAに任せることができます。それまで、オペレーション業務を担当していた従業員は、コミュニケーションが必要な業務に集中することが可能です。RPA導入により解放されたヒューマンリソースを最大限活用することで、人間のイノベーションの創出によりアグレッシブな経営戦略を打ち出せます。RPAと人間、相互の能力を最適化し使い分けることで会社の活性化に繋げることができます。
3.コストを削減することができる
RPAを導入する際、現場の労働者数と比べると25~50%のコストの削減が可能です。会社の雇用形態にもよりますが、導入のコストはフルタイム従業員1人の月給の1/3ほどで済みます。人件費の大幅削減と高いコストパフォーマンスの実現を両立させることができるのです。
RPAツール
それでは実際に、RPAを自社に導入する際に、どのRPAツールを選択すべきなのでしょうか?
ロボット性能や会社の信頼性、アフターサポートの充実など、RPAツールにはそれぞれに特徴が存在します。その中でも認知度・実績共に高く評価されている企業を2つご紹介していきます。
WinActor(ウィンアクター)
「WinActor(ウィンアクター)」とは、2010年にNTTの研究所で生まれた国産のRPAソリューションです。Windows端末のあらゆるアプリケーションの操作手順をシナリオとして学習し、自動化・実現を可能にしました。NTTグループで研究し、技術とノウハウが詰まった業務効率を支援するソフトウェア型ロボットです。
WinActorは、純国産ソフトウェアで完全日本語対応なので、安心して利用することができます。また、プログラミングの特別な知識を持っていなくてもシナリオファイルを簡単に作成することができます。さらに、GUI完備で直感的な操作が可能なので、どなたでも気軽にRPAツールを利用し、作業の自動化ができます。
1.WinActorの導入事例
「R大学」
・導入に至った経緯
①経営に役立つ情報を抽出するため、職員の業務を「作業」から「創造的業務」へ移行し、魅力ある学校運営を推し進めていきたかった。
②単純だが手作業に頼らざるを得ない定型業務が大量に発生するので、システムの導入を検討していた。
・導入効果
①RPAを活用することで、定型的な業務から解放された職員の創造性を発揮し、魅力ある学校運営が可能になった。
②職員が1回あたり約3,000回繰り返し行っていた支払い手続きのための確定操作を自動化することに成功した。
SynchRoid(シンクロイド)
ソフトバンクの「SynchRoid(シンクロイド)」は、処理手順を登録するだけで、単純な事務作業や書類業務などを自動化し、コスト削減、業務の効率化・スピードアップを実現することが可能です。ソフトバンクのRPAソリューションは、多くのシステムとの連携可能です。PCで行う作業以外にもAIやロボット等と連携することで自動化の幅を拡大し、業務効率化を加速させることに成功しています。
単純作業・定型業務に時間がかかってしまう。どうしても残業が多くなってしまう。入力ミスや多重チェックが負担に感じる。システム間を繋ぐ作業に従業員の手間と時間をかけたくないなど、業務効率化を目指す企業は、SynchRoidシステムの導入で仕事環境の不満を取り除くことができます。
1.SynchRoidの導入事例
「株式会社LIXIL」
・導入に至った経緯
①建材大手5社が合併し設立されシステム統合がIT部門の優先事項となり、現場が求める個別のシステム改善を必要としていた。
・導入効果
①業務部門主導でRPAを活用できる体制を整えたことで、現場の社員自から必要とするロボットの開発が可能になった。
②IT部門が運用のルールを作成し、統制の取れた体制でのRPA活用を実現した。
まとめ
会社運営を効率化できる「RPA」。RPAの導入で安定した会社経営と、従業員のストレスの軽減・過重労働防止を同時に進めることが可能です。RPAの基礎知識を理解し、将来の企業ビジョンを明確にした上で、自分の会社に合ったRPAツールを選びましょう。
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会社概要
会社名 | 株式会社 Onion |
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代表者 | 川村亮介 |
設立 | 2016年4月 |
資本金 | 8,200万円(資本準備金含む) |
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