リード情報を最適化するリードエンリッチメントとは?メリットや活用方法も紹介
近年、企業の営業活動におけるデータ活用の重要性が高まっています。他社との差別化を図り、顧客と友好な関係性を築くためには、自社が保有するリード情報を分析し、有効活用することが必須です。
しかし、多くの企業が膨大なリード情報を保有しているにも関わらず、活用できていないのが現状でしょう。リード情報の中身が最適化されていないことがその理由です。
そこで今回は、蓄積したリード情報を最適化するリードエンリッチメントというプロセスを紹介します。リードエンリッチメントがどのようなものか説明するとともに、メリットや活用方法も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
リードエンリッチメントとは?
リードエンリッチメントとは、自社で収集したリード(「過去に問い合わせがあった」「名刺交換した」などの理由で連絡先を獲得している見込み顧客)情報に、他のソースから入手したデータを付加することで、データの有用性を強化するプロセスです。
一般的に各社が持っているリード情報は、社名やメールアドレス程度しか取得できていない場合が多く、営業活動に十分に活かせていないのが現状です。
そのため、近年はリードエンリッチメントを実施して、自社が保有するリード情報にさまざまな情報を付与することで有用性を高め、営業活動の効率化に活かす企業が増えています。
データクレンジングも重要
リードエンリッチメントを実施するうえで欠かせないもうひとつのプロセスがデータクレンジングです。
リードエンリッチメントを実施する場合は、事前に自社が保有しているリード情報の品質を確認しておく必要があります。リードエンリッチメントで追加データを付与しても、そもそものリード情報が間違っていれば、適正な営業活動が行えないためです。
例えば、キャンペーンなどで取得した顧客のメールアドレスが大量にあった場合、その全てが自社のリード情報になり得ることはありません。キャンペーンに応募するだけのために取得したメールアドレスや、重複したメールアドレスなど、不要なものや冗長なデータが混在している可能性があるためです。
そのため、不要なデータを選定して削除するデータクレンジングを実施した後、リードエンリッチメントのプロセスに進む必要があります。
なお、データクレンジングは一度実施したら終わりではありません。リード情報の品質を維持するためには、定期的に実施する必要があります。顧客が所属する会社や部署は頻繁に変わり、その度にメールアドレスや電話番号、住所、役職といった情報が変化するためです。
これらの情報を適宜アップデートすることによって、真に営業活動で活用できるリード情報になりえます。したがって、データクレンジングは可能な限り、リアルタイムで実施されることが理想的といえるでしょう。データクレンジングによってデータの正確性を高めた後、リードエンリッチメントを実施することで、より無駄なく効果的な営業活動が実現できます。
リードエンリッチメントの仕組み
リードエンリッチメントは、各社が保有するハウスリード(自社リード情報の集合体)のデータに、リードエンリッチメントサービスを提供する企業が保有するデータを突合することによって、不足情報を補完してリード情報の品質を高める仕組みです。前述したデータクレンジングを実施して、ハウスリードのデータが正確であることが確認できたら、リードエンリッチメントのプロセスに進みましょう。
リードエンリッチメントにはさまざまな方法がありますが、もっとも一般的なものがハウスリードと別のソースのデータを突合させる方法です。例えば、他社が提供するCRM(Customer Relationship Management:顧客管理システム)のデータやリードエンリッチメントツールなどを活用して、自社で収集したメールアドレスに会社名、住所、資本金、売上高といったデータを付加することで、より有効活用できるリード情報に改善できます。
リードエンリッチメントを行うメリット
リードエンリッチメントを実施してリード情報を最適化できれば、自社のターゲットをより正確に把握できるため、リード育成施策の最適化やカスタマーエクスペリエンスの向上につながります。その結果、企業の売上に貢献できる点がリードエンリッチメントのメリットだといえるでしょう。
本章では、リードエンリッチメントを行うことで得られる代表的なメリットを紹介します。
ターゲティングがより正確に
リード情報が最適化されることで、より正確なターゲティングができるようになることが、リードエンリッチメントのメリットのひとつです。
企業のマーケティング・セールス活動においては、ターゲット設定を的確にすることが不可欠といえます。しかし、一般的なハウスリード情報だけでは、「どんな企業が最終的にCVしたか」といった統計データを充実させられないため、どのようにターゲット設定を行えばよいかわかりづらい点が課題です。
そこで、リードエンリッチメントを活用します。例えば、リードエンリッチメントを行うことで過去にCVした企業の統計が取得できれば、今後アウトバウンドセールス(新規顧客に電話や飛び込み営業をすることで、商品の購入やサービスの利用につなげる活動)やマーケティングでアプローチをかけるべき企業を適切に選定できるようになるでしょう。
顧客のニーズや嗜好性が多様化したうえに、少子高齢化や新型コロナウイルスの影響などによって市場の先が読みにくくなった昨今においては、リードごとに最適化したアプローチを行わなければ、競合他社との競争に勝てません。
したがって、リードのより詳細なデータが取得できるリードエンリッチメントは企業のマーケティング・セールスにおいて欠かせないプロセスといえます。
ターゲットに適したリード育成施策が行える
リードエンリッチメントによって詳細なデータが入手できれば、ターゲットに適したリード育成施策の実施も可能です。
データの内容が充実するため、リードが持つ願望や課題点などの把握が進み、ターゲットごとに最適なアプローチが行えるようになります。例えば、メールマーケティングなどのアウトバウンドセールスにおいては、送信するコンテンツ内容をより柔軟にカスタマイズできるようになるでしょう。
これによってリードの購入意欲を高め、将来的な受注につなげていくリードナーチャリングが実現できます。その結果、リードの育成速度を高めることができれば、売上向上に貢献することも夢ではありません。
カスタマーエクスペリエンスの向上
カスタマーエクスペリエンス(顧客が企業と取引することで得られる価値や体験、メリットなどのこと)が向上する点もリードエンリッチメントの実施メリットです。
リード情報が充実することで、顧客が抱えるニーズや願望をより具体的にイメージできるようになります。その結果、より魅力的なサービスの提供やユーザ体験の向上を実現することが可能です。
カスタマーエクスペリエンスを向上することで、リードをロイヤルカスタマーへ育成できる効果が期待できます。リードにとって最適な商品やサービスの提供をすることによって、企業とのエンゲージメントが強化され、リピート率の向上にもつながるでしょう。また、ロイヤルカスタマーがほかの顧客へ自社の商品を宣伝してくれる口コミ効果によって、新規顧客の獲得も実現できます。
特に競合が多い業種においては、リードのエンゲージメント強化は重要な課題であり、自社サービスのブランディング強化につなげることで差別化を図ることが可能です。より多くのリードを獲得し、長期間商品の購入やサービスの利用をしてもらうために、リードエンリッチメントによるカスタマーエクスペリエンスの向上は、全ての企業において必須といえるでしょう
売上の向上
リードエンリッチメントを行う最大の目的は、売上の向上です。
正確なターゲティングと最適なリード育成により、カスタマーエクスペリエンスを強化することで、売上やKPI、ROI(Return On Investment:投資に対してどれだけの利益を上げたのかを測る指標)の向上につながるでしょう。つまり、ここまでに紹介した各ポイントは、最終的に全て売上の向上に貢献します。
リードエンリッチメントによってリード情報が強化されることにより、新たなマーケティング施策やコミュニケーションチャネルを開拓することが可能です。また、リード情報の強化により、リードにアピールするタイミングや場所、方法を最適化できます。
さらに、リードエンリッチメントとデータクレンジングを継続することで、自社のマーケティング活動に必要なデータが何かを把握できるようになるでしょう。近年、多くの企業がビッグデータを保有していますが、そのほとんどが不要なデータといわれています。また、不要なデータであるにもかかわらず、それを保持するためのランニングコストが甚大な点も課題です。
しかし、リードエンリッチメントを定期的に実施しながら不要なデータを減らすことができれば、ランニングコストを削減できますので、ROI向上につながり利益率の向上も実現できます。
リードエンリッチメントを行ったデータの使いみちとは?
リードエンリッチメントで強化したリード情報は、さまざまなシーンで活用できます。代表的な事例として、インバウンドセールスとアウトバウンドセールスにおける使いみちを紹介します。
インバウンドセールスでの活用
インバウンドセールスとは、リードの購買意欲を高めるような情報を発信することによって、自ら商品の購入やサービスの利用を促す営業手法です。インバウンドセールスの事例としては、メルマガやセミナーなどの情報発信が一般的でしょう。
リードエンリッチメントによって既存の契約済み企業の傾向が見えていれば、リード獲得時に「契約可能性の高い企業」かどうかを判定できるため、アプローチの強化に活かせます。
また、企業の属性や規模感ごとにアプローチ内容を変えるなど、リードそれぞれに最適化したメッセージを送ることが可能です。
具体的には、マーケティングオートメーションツール(リード情報を管理し、デジタルにおける営業活動を支援するITツール)などに、データを登録して使う企業が多いでしょう。
アウトバウンドセールスでの活用
プッシュ営業とも呼ばれるアウトバウンドセールスにおいても、リードエンリッチメントで強化したリード情報が活用できます。
リードエンリッチメントで契約企業の傾向が把握できれば、既存リードをセグメンテーションできるだけでなく、テレアポなどで新規リードへアプローチする場合にも活用できるでしょう。また、業種・企業規模などで特定のセグメントが有力な場合は、新規営業のリソースをそちらへ集中させる方法も有効です。
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会社概要
会社名 | 株式会社 Onion |
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代表者 | 川村亮介 |
設立 | 2016年4月 |
資本金 | 8,200万円(資本準備金含む) |
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